広報誌

2014年4月10日号より「改めてロータスクラブの成立と意義について」

 ロータスクラブは1986年に始まりました。これについて改めてその成立と意義についてお話します。それはロータスクラブができた1986年からすでに28年も経ち、職員もご家族も大きく入れ替わったのでこの意義を知らない人も多く、次世代へのメッセージとしても残す必要があると考えて表題のような内容について書くこととしました。

 私は1977年からさわ病院でパートで働いていました。土曜の外来と受け持ち患者さん10数名を担当していました。長く入院されている患者さんもおられ、ご家族が今後の方針を担当医と話し合うこともなく年月が流れることもあり、なんとか話をする機会を作りたいと思っていました。仕事だからと来れない方もおられ、じゃあ日曜なら来れるでしょうと言って日曜も月1−2回は午前中出勤してご家族を呼んで話し合ったりしました。1985年に3月ほどイギリスにいましたが、すでに週休2日は当たり前でした。帰ってきて、当院で働く人のためにも週休2日を目指そう、ただ月に1回は入院患者さんのために時間を作ろう、そして普段の医療でできないことをしようとして1986年9月から週休2日とし、原則第二日曜を全職員出勤日としました。そのうち他の病院も週休2日となってきたので、別に振替休日をとって良いとしました。

ロータスとは蓮のことですが、やや仏教臭くなるのでロータスとしました。ロータス・アートの語源も同じですが、ロータスとは泥の中で手をつなぎ、やがて水面に出て花を咲かせ実を結ぶという意味でつけました。クラブは初代理事長であった父がつけてくれたものです。

最初は毎月で、9月は日帰り旅行、10月は運動会、11月は文化祭、12月はクリスマス会、1月はお楽しみ会とか餅つきの年であったりしました。2月は講演会、3月は演芸会、4月は花見、5月は街頭キャンペーン、講演会、飯盒炊さん、6月はバスツアー、一泊旅行、7月は講演会と街頭キャンペーン、8月は最初はさわ病院の運動場で盆踊りでした。地域の夏まつりに参加するようになって7月になりました。

2002年から毎月にすると、贅沢な話だが、有給休暇、リフレッシュ休暇、週休2日の振替がとれない、休暇の買取もないという不満が出て、毎月でなくなった。そのため現在のように、10月運動会、11月文化祭は同じだが12月はクリスマスガーデンコンサート、1月(実際は12月)餅つき大会、2月講演会、3月花見、5月ワールドフェスティバル、7月地域夏まつり(中豊島夏祭りとの合同)となりました。

いくつかにはそれぞれの歴史がある。例えば夏まつりは最初はさわ病院盆踊り大会と中豊島夏まつりは別だった。89年に始まった中豊島夏まつりに職員が入院患者さんを連れて行ったことから、1992年より合同となり、土曜日が中豊島夏まつり、日曜がさわ病院盆踊り大会でした。約束で雨になれば日曜に合同とすることになっていました。1997年に雨になり合同になりましたがその後2004年までは別でした。2004年に雨で合同になったとき、地域の方からこの方が自然や無いかという声が上がり、その後一緒にしています。クリスマスガーデンコンサートは97年12月に初めて試みたX’masミニコンサートを98年12月からX’masガーデンコンサートを開催するようになりました。最初は看護スタッフの有志が各病棟を楽器を持って周りクリスマスソングを奏でました。それがきっかけで1998年から(ロータスクラブとしては2000年)近隣の人にも来てもうらおうと寒いのに中庭ですることとなりました。2000年からは関西学院大学ハンドベルクワイアの人々にもハンドベル演奏をお願いしています。このなかでは地域の社協の人々が参加してくださり、サンタさんやトナカイに変装してクリスマスプレゼントを贈ってくださっています。

さわ病院にはさわ病院家族会があります。病院は場所提供と事務のお手伝いをするだけですが、行事の後家族会の会員は集まって互いの情報交換、相互援助などをしています。たまたま2000年に患者さんが地域の人に不安を与える行動があり、近隣との話し合いの場が定期的にもたれた時期もありましたが、最近は何かあったらにしましょうと言われ、現在要望はありません。形は変わってきていますが、根幹には普段のサラリーマン的な医療活動では無理なところを補うという考えが一貫して流れています。これを忘れてロータスクラブがたんなる祭りに終わるならしないほうがいいでしょう。

もうひとつ、なかなか仕事の関係で、症状は安定しているが通院がままならない人を対象に日曜診察もしています。私は毎回ロータスクラブの日はしていますが、各患者さんは担当医に日曜に診てもらいたいがと要求されることは可能です。ただし今は毎月でないので上手に調整してもらう必要はあります。

このような広がりでもまだ足りないものとして、地域への啓発があります。豊中には豊中市精神保健協議会があり、すでに40年以上の歴史があります。医療部会、学校部会、職域部会、地域部会があり、以前は豊中保健所が事務局をしていました。これをもっと活発にして、各部会での地域啓発に力を入れたいですが、ロータスクラブの中でもこの活動を取り入れて啓発活動を一層盛り上げたいと考えています。

理事長

アーカイブスダウンロード

Adobe® Reader®のダウンロード

PDF形式のデータをご覧いただくには Adobe Systems Inc. (アドビシステムズ社)の Adobe® Reader® が必要です。

ページの先頭へ